17 September 2020
spec espace クリエーティブディレクターより11
今年の夏も暑かったですね。特にマスクをつけることを余儀なくされたことで、暑さもひとしおでした。
さて、怪談は夏の風物詩のひとつですが、『一つ目小僧』は日本の代表的な妖怪として広く知られています。鍛治、製鉄に従事する者が祀る神様が「一つ目」であることが多く、一つ目小僧の発生はこの製鉄の神様との関連があるようです。
製鉄従事者、鍛冶職人は鉄の溶解を確認するため、炉の中を片目で覗き込んでいました。その作業を長く続けていたため、火の粉や熱で目を潰したということから、祀られる神様も一つ目として具象化された説もあります。
「一つ目小僧」の誕生の背景にあった製鉄、鍛治の炉を覗く作業ですが、専用の眼鏡やゴーグルがあれば、そんな妖怪は出現しなかったかもしれません。職種によっては「目」を脅かす作業も考えられるので、十分配慮して眼鏡等で守る必要があるということなのです。