10 June 2021
Zoomスポーツ対談:グラスアーカス×埼玉武蔵ヒートベアーズ・宮之原健氏×オプトデュオ 第3回~視覚機能の向上~
スポーツビジョン(スポーツ視覚学)を取り入れたきっかけは
辻村店長
たまたま、お店に野球を頑張っている少年(中学生)が来たんです。その選手が使っていたメガネの度数がすごくが弱かったんですよね。昔スポーツビジョンを立ち上げられた真下(ましも)先生という方のスポーツビジョンセミナーで、野球をやるなら1.2~1.5ぐらいに矯正したほうがいいとお話されていたんで、その少年に調整したメガネを野球で使ってみてくださいって言ったら、「よく見えてボールが打てるようになった」と口コミで広がっちゃったんですね。
それからですね。メガネによってスポーツがどんどんできる(上達する)ようになるんじゃないかと思って。それで、もう一度その先生の講義を受けに行ったりとか、本格的に勉強するようになったんです。あと吉井先生が勧めているトレーニング方法をお店で活用したりとか。
視力トレーニングマシンと宮之原選手(Instagramより)
山岸
吉井先生は僕が大学時代にハンドボールの授業を教えてもらっていた先生で、スポーツビジョンが専門なんですよね。たまたまメガネ雑誌で私を見つけて連絡をくださったんです。「大阪府立大学 吉井泉准教授インタビュー」の掲載はこちら
→(リンク先) https://www.spec-espace.com/377/
辻村店長
へぇ、そうですか。吉井先生がエスパスをかけていたのを覚えていますね。
そもそも野球選手はどうしてそんなに速い球を打てるのか
宮之原選手
自分たちの世界でも150キロ半ばぐらいを投げるピッチャーがいるんですけど、そこはどういう風に打とうかって考える暇がないので、とにかく普段の練習から球を打つという感覚的なところを繰り返し練習しています。視覚的なところでは、速い球を見たりとか、ボールがアジャストするところを視力トレーニングでも養っています。いくら技術だけがあっても、イメージできなければ速い打球を打つことは難しいと思いますし。だから日頃から、目の感覚を(いつでも引き出せるように)イメージしている感じですよね。体と目のバランスをいつもいつも大事にしている結果が、なんとか数字として残すことができていているのかなと思います。
山岸
プレイ中はもっと強いコンタクトを使用しているんですか?
宮之原選手
試合用(2.0)と普段用(1.5~1.2)の度数は変えてます。
山岸
辻村さん、プロの選手はだいたい過矯正気味になっているんですか?
辻村店長
過矯正がすべてだとは限らないですね。過矯正だと逆に視力が落ちる人もいるんです。なので完全矯正に近いですね。ポジションや競技によって違って、どんな風に視力を出せばいいのかは選手と話し合って決めていきます。
あとはコントラストも関係します。白い空(曇り空)に白いボールが上がったときにちゃんと見つけなくてはいけないとか、ホーム側から陽が差してきたときにどう対処したらいいかとか、いろいろ考えることはあると思います。
山岸
視力って本当に大切ですね。
辻村店長
先日、宮之原選手とも話したんですが、効き目によってオープンスタンスにしたほうが良いのかクローズドスタンスにしたほうが良いのかを試してみたりとか、セオリーとしてはこうだけれども、実際はこっちのほうがいいとか、人によってあったりするんで。左効き目で右バッターがクローズドスタンス、右効き目で右バッターだとオープンスタンスのほうがボールが良く見えるじゃないですか。その辺はどうなんだろうとか。
山岸
へぇ、右ピッチャーと左ピッチャーで打撃のフォームが変わるのはよく聞くんですけど、それも(効き目で)見え方をアレンジしているのかな?
辻村店長
絶対あると思います。面白いですね。
(次回へ続く)