30 May 2021
spec espaceクリエーティブディレクターより21
我々が普段使ってる金属製の眼鏡、サングラスの多くはチタンで出来ています。スペック・エスパスも主にチタンで作られています。そんなチタン製メガネが登場したのが昭和50年代で、革新的な技術によって成功したチタン製メガネは、世界的に鯖江の名を知らしめ、眼鏡製造の歴史を変えたものでありました。
チタンフレームの登場までは「サンプラチナ」が高級素材とされてきました。柔らかい質感と白金色のような輝き、身体との親和性が高く扱いやすい、経年劣化が少なく、長時間使用しても色褪せない、などの特徴があります。
昭和初期に開発された日本独自の素材であるサンプラチナは当時、材料問屋の許可を得た製造業者のみが扱えました。チタン製フレームが主流である現在はサンプラチナを取り扱う眼鏡工場は極めて少なくなりました。
サンプラチナ枠製造工場の中にはひとつひとつ手作業による、昔ながらの製法を続けている工場も未だ残っています。いわば「鯖江の眼鏡作りの原風景」を思わせる工場で、少量生産・省エネルギーの製法は、これからの時代にこそ必要な技術かもしれません。
そんなサンプラチナを敢えて使用し、現代のスタイルにリメイクすることで、いつの時代も色褪せない魅力をもったサングラスを作ってみたい。70年代アウトドアスタイルに融合させ、現代のファッションにも落とし込んだ質実剛健なサングラスを作ってみたいと思っているところです。