spec espace 2021 A/W Collection ~第2回 2021年度グッドデザイン賞 受賞~

31 October 2021

spec espace 2021 A/W Collection ~第2回 2021年度グッドデザイン賞 受賞~

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日本で唯一の総合的なデザイン・評価の仕組みである「グッドデザイン賞」。1957年に創設され、シンボルマークの「Gマーク」は生活のさまざまな場面で見かけることができます。このグッドデザイン賞は、製品だけでなく建築、ソフトウェア、システム、サービスなど私たちを取りまくさまざまな「モノ・コト」を対象としていますが、その主旨はデザインに関わる企業や人々・地域社会を支援し、ともに発展することを目的としています。また、審査においては、多くの人から支持を得たデザインに贈られ、これからもデザインの可能性を広げることが期待されています。

今年度は、スペックエスパスのサングラス「ES-1991」もグッドデザイン賞に選ばれました。

spec ēspace「ES-1991」は、スタイリッシュな造形もさることながら、サングラスとしての効果や機能も確立しています。顔を覆うように成型された特殊ナイロン系樹脂はレンズの歪みを軽減させる機構で、有害な太陽光線から目を守ります。また、弾性のあるβチタンを使用しているため、フレーム全体で頭を包み込むような柔らかな掛け心地を生み出しています。実際にかけてみると、大きすぎずちょうど良いシェイプなので、どなたでも使いやすいサングラスになっています。

「ES-1991 Col.08」
艶のあるブルーグレーが新登場。上部が笹柄と呼ばれる墨流しのような柄で、下部分は単色のクリアなブルーグレー。上下で色味が変わる2トーン構成。

「ES-1991 Col.07」
上部が濃いグリーン色に笹柄の模様、下は薄い透明感のあるカーキの2色構成。
今っぽい色の落とし込みがおしゃれで、日常にも活躍しそう。

受賞したサングラスについて、有限会社オプト.デュオの山岸社長にお話を伺いました。

ーグッドデザイン賞に応募された経緯について

大手サングラスメーカーの商品に比べて、知名度に課題がありました。「ES-1991」はスポーツやアウトドアシーンでの利用に大きな評価をいただいている商品であり、一般の方にも広く知ってほしいという想いから、今回初めて応募しました。

―主にどのようなユーザーに愛用されていますか?

「あまり知られていないかもしれませんが、マラソン選手や野球選手などプロのユーザーさんにも練習用として使っていただいております。また、一般ユーザーさんでもテニスやゴルフなどのスポーツや、釣り、トレッキングなどで実際に使っていただいています」


ー商品の特徴をもう少し詳しく教えてください。

「フロントに特殊ナイロン系樹脂を使っています。軽量なのに強度もあって伸びやすいという特徴を持っています。フレーム(枠)からの圧力によりレンズに歪みが生じることがありますが、これは伸縮性のある素材なので、例えば偏光レンズを入れても強く締め付けることがないため、レンズの歪みも少なく見え方の違和感がありません。

サイドから見た「ES-1991」
そもそもレンズの歪みは、フレームからの圧力や熱によるダメージから発生するもので、目には見えない劣化が進行するとレンズにクラック(ヒビ)を起こしたり、かけたときの見え方が変形してしまう要因になりかねません。

「そして、モダン(耳に当たる部分)のエラストマ系樹脂は、医療系器具にも使われていて、汗にも強く肌触りの良い滑らない素材です」

―グッドデザイン賞に対して特別な想いはありましたか?また、実際に受賞されてどんな感想をお持ちですか?

「デザイン」として評価される賞なので、応募してみたい想いはずっとありました。コロナの状況もあって、取扱店に新型などを紹介する機会が減り、今回このタイミングで応募しました。我々が作り出すメガネが「デザイン」面で評価されることは感慨深いものがあります」

ーでは、以前からグッドデザイン賞の応募を検討されていたのですか?

「ものづくりをしていますと、どうしても造るほうに専念していたので、あまり意識していなかったんですけど。取り扱い店さんにも改めてスペックエスパスの良さを知ってもらうためにも、良い契機になればと思って。それで今回チャレンジしてみたんです」

ー具体的にどんなところが評価されたとお考えですか?

「先ほども述べたように特殊ナイロン樹脂と偏光レンズと相性が良かったところでしょうか。あとは、エスパスの特徴である軽さと頭部を締め付けないストレスフリーな掛け心地、それでいてズレにくい特徴も認められたと思います。同じナイロン系樹脂を使ったスクエアタイプもあるんですが、ともに男女問わずお使いレンズシェイプかなと思っております。スペックエスパス=サングラスと言っていただけるお店もあるぐらいです」

ーどのようなプロセスを経て完成したのですか?

「エスパスは“ヒンジレス”など従来の柱となるものがあるので、あまりそこから逸脱しないように、その柱というかコンセプトを守りながらアイデアを出し合っています。一般ユーザーさんの、こうだったらもっといいのにっていう意見も参考にしながら、デザインを突き詰めていきます」

「今回のサングラスは、デザインを出し合ってから形に落とし込み、試行錯誤しながら製造に漕ぎ着けるまでに4、5か月。そこから具体的に形になるまでに半年を要したので、計1年はかかっています。もちろん構想はそれ以前からありますが。ナイロン系樹脂を使うにしても、どこまで厚みを出せるかとか、工場とも打合せをしなければいけません。僕らデザインする側としては突き詰めた要求も多く、割と無理を聞いてもらっていますね」

ー今後どのように商品を売り出していきたいとお考えでしょうか?

「サングラスについては、今後もアウトドア産業やスポーツ業界にも進出していきたいのですが、まずは取り扱い店舗様を増やしていきたいですね。メガネに関しては、エスパスはかけ心地の軽さや快適性に重点を置いているブランドなので、近年は自宅にいてメガネをかけることが多くなった分、ストレスを感じないと評価されている部分は多いです。トレンド、流行に左右されないのがエスパスの強みだとも実感しています」

(次回へ続く)

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