つくり手とお客さんをつなげる小売店 第1回~ジャパンメイドのメガネへのこだわり~

27 February 2022

つくり手とお客さんをつなげる小売店 第1回~ジャパンメイドのメガネへのこだわり~

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オプト.デュオの山岸誉 氏(左)と『田中眼鏡本舗』の田中昌幸 氏(右)

福井県福井市の『田中眼鏡本舗』とオプト.デュオは、約20年に渡り小売店とメーカーとして良いお付き合いを続けています。オープン当初から変わらない店主の田中さんのこだわりやオプト.デュオと出会った頃のことなどをお伺いしました。初見はリモート取材でしたが、パソコンの画面越しの田中さんはとても気さくな様子で、「ここがカメラ?どこを見て話したらいいの?」とおっしゃって、その場の雰囲気を和ませてくれました。


田中昌幸 氏
福岡県出身。眼鏡量販店で販売を経験後、福岡から福井に移住し、約20年前に『田中眼鏡本舗』をオープン。

時代の流れに逆らって、今がある

『田中眼鏡本舗』はインポート品を一切置いておらず、オープン時からブランドの顔ぶれもほぼ変わっていません。当時は安価な中国製メガネが大量に生産され、スリープライスショップが台頭し始めていた頃。店主の田中さんはそれに反して、コンセプトは「高品質な国産にこだわること」と決めていました。なぜなら県外出身の田中さんは、福井県で鯖江産のメガネを扱う店が非常に少ないことに疑問を抱いていたからです。国産といわれるメガネの96%が福井県で製造されているのだから、福井のメガネはもっと胸を張っていいはず。品質の高い鯖江産のメガネを真剣に扱うお店を作りたいとの想いが、福井で開業するきっかけとなりました。
「その頃のメガネ業界からしてみると、まるで世の中の流れに逆行しているかのような商売に見えたかもしれませんね」と田中さんは笑います。

 創業時からブランドの種類が変わらない理由を尋ねると、「オープンした頃は、その先どうなるかもわからなかった。ちょっとご飯が食べられるようになったからって、各ブランドのフェイス(売り場面積)を狭くするのは申し訳ない。調子に乗ってブランドを増やすのもどうかと思って・・・」。
メーカー側からすると、田中さんがどこの何者かも知らず、お店がどうなるかわからないという状況。しかし、多数のメーカーが大事な商品を預けてくれたといいます。お店が大変な時期もあったけれど、共に成長してきたと思うと、やはりそのままがいいんだそうです。

先代の社長は、百戦錬磨の人⁉

お店をオープンさせてからしばらくして、年上でとても物腰が柔らかい人物が飛び込みで営業に来ました。それがオプト.デュオの先代の社長(山岸吉一 氏)でした。田中さんは「面倒くさい営業マンが来たな」という疑いの気持ちが消えぬままでしたが、彼が持っていた大きな鞄をバッと開けたとき、面白いように心は踊っていきました。それはシンプルに、持ち込まれた商品があまりにも自分の好みだったから(わ、ドストライク!)。二人はすぐに打ち解けてメガネ話に夢中になりました。

当時のオプト.デュオはお店がオリジナル性を打ち出せるように、お店によって異なるモデルを提案していました。その後も、田中さんは山岸氏の立ち振る舞いを見て、この業界を知り尽くした人だと感じたそうです。彼は鞄ひとつで全国の小売店を回っているだけあって経験も豊富だし、自分はなにか見透かされているような・・・。
「今思い返せばオプト.デュオにはいろんな種類のメガネがあったと思うが、あえて僕が気に入るものだけを見せてきたのは、してやられた感じです」。


(左)「田中眼鏡本舗オリジナルセルロイドフレーム」
(右)「田中眼鏡本舗オリジナルサンプラチナフレーム」
共に1990年代後半に製造されたもの

2000年頃のメガネ業界は新しい形や色がどんどん発表され、それが求められた時代でもありました。一世代前のクラシカルなデザインは既に影を落としていたため、丸形や一山ブリッジのようなヴィンテージ感を出した商品を製造する、オプト.デュオのような会社は珍しかったそうです(今はトレンドですが)。

その後、ほどなくして誕生したスペックエスパスもお取り扱いが始まり、メーカーと小売店の関係を深めていきました。


『田中眼鏡本舗』
ジャパンメイドの商品のみを取り扱い、県内外のこだわりの強いお客様から支持される。鯖江市の『田中眼鏡本舗 浪漫堂』は系列店。
福井県福井市新田塚町701-2N ファインシティビル1F
TEL.0776-28-2515

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