31 May 2022
specespaceクリエーティブディレクターより34
5月に入り、進学・進級での新しい環境による学校生活にも慣れてくる頃でしょう。この時期は視力検査で判明した視力の悪化によって、多くのお子さんが眼鏡屋さんに訪れます。しかしせっかく新しい眼鏡を作ったのに、昔の眼鏡をずっと使用してしまうことが間々あるようです。
もちろん眼鏡屋さんはその子の視力に応じた、新しい度数のレンズを入れており、今まで使っていた眼鏡よりもはるかによく見えるはずです。にもかかわらず「前の眼鏡の方が良く見える」といって新しい眼鏡を回避しようとします。
単に度数が変わったことによる違和感だけではなく、球面、非球面といった設計の異なるレンズに変更したことで、周辺の見え方が異なり、違和感を生じさせることがあります。また新しい眼鏡に変えたことによって、レンズの中心が高い、低い、またレンズとの距離が遠い近いもなどの形質からも、今までの見え方との違いが生まれます。
これらの問題は眼鏡屋さんでの再調整や2週間程度の「慣れ」によって解決され、視力も徐々に鮮明になることでしょう。ただお子さんが「新しい眼鏡が嫌だ」となるのは、見え方の違和感だけではないようです。
実は、子供は新しい眼鏡をかけることによる「見た目の変化」を嫌がる事例が多いと眼鏡屋さんから聞きました。だから、今までと同じようなフレームを選びがちになるし、周囲からの目を気にして、新しいデザインの眼鏡をかけなくなるようです。
そんな話を耳にすると我々作り手はいささか歯がゆい気持ちになります。それぞれメーカーが機能性やファッション性など様々なデザインを常に考えながら、新しい眼鏡を生み出していることの意味合いを考えてしまうのです。
眼鏡をかける方の趣向性や眼鏡屋さんのアドバイスがあるのはもちろんのこと、特にお子さんの場合は、メガネ選びにおいて保護者のアシスト・サポートが不可欠だと思います。
我々作り手としても、眼鏡選びや眼鏡生活が楽しくなるように強く願うばかりです。